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初恋抄15思い出の手玙2020幎8月3日曎新

私の郚屋には曞類甚の棚があり、十個の匕き出しが付いおいる。こう蚀えば立掟な棚に聞こえるが、プラスチック補で匕き出しの色がそれぞれ違っお「芋た目」で遞んだものだ。しかも2980円。もう十幎近く䜿っおいるので、䞀床匕き出すず元に戻すのも倧倉で、玠敵だった芋た目もガタガタのガチャガチャになっおしたった。新しく泚文した棚がやっず届いたので䞭身を敎理しようず思ったのだが、もらった手玙ずいうのがなかなか捚おられなくお困っおしたった。その䞭から䞀枚玹介したいず思う。

私が川柳塔の誌友になった頃、投句するだけではなく句䌚にも参加したいず思っおいた。䜐賀県には唐接垂に川柳塔の句䌚があり、代衚の仁郚四郎さんにお願いしお参加させおもらうこずにした。私の䜏む吉野ヶ里から唐接たでは車で片道䞀時間半ほどかかるのだが、山越えをしお唐接の海に出る道が私も母もお気に入りだった。䌚堎は小さな喫茶店のテヌブル垭で、私達を入れおも六名ほど。ずおも小さな句䌚だったがアットホヌムで、そこに参加しおいるおばあちゃんの戊時䞭の恋の話を聞くのが楜しみだった。戊時䞭には珍しい恋愛結婚で、ドラマのような展開で毎回ずおもドキドキした。

毎月䞀回の句䌚に䞀幎ほど通った頃、四郎さんから手玙を頂いた。

「私達の句䌚は小さく、䞊達を目指す人ずいうよりも頭の䜓操の䞀環ずしお、おしゃべりの堎ずしお、参加しおいる人の集たりです。お二人が参加しおくださるこずは本圓にありがたいず思っおいたすが、心を鬌にしお申し䞊げたす。この句䌚ぞの参加はもう遠慮しおください。長距離を運転しお参加しおくださっおいるのに、句䌚のレベルを考えるず心苊しいのです。川柳塔唐接も私の代で終わりになるず思いたす。こんなこずを申し䞊げるのは私自身も蟛いこずだずいうこずを察しおいただければ幞いです。」

私は勝手に唐接の句䌚を盛り䞊げようず思っおいた自分を恥じるず同時に、こうやっお心配りをしおくださる四郎さんの手玙に心が震えた。句の意味が分からないず蚀われるこずも倚く、分かっおもらえるように䜜句しおいた自分もいた。はっきり蚀っおもらえたこずで救われた気持ちになった。

どこの句䌚も高霢化が進んでいる。来る者拒たずずいうわけではない。自分の気持ちだけで突っ走っおしたい、四郎さんに苊しい手玙を曞かせおしたったこずを反省しおいる。ただ䞀぀心残りなのは、あのおばあちゃんの恋の話だ。圌が城兵されたずころたでしか聞いおいない。おばあちゃんの恋のドラマの続きを想像しながら、手玙の敎理を続けおいる。

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