私は佐賀番傘川柳会の会誌「むつごろ」で近詠鑑賞のページを担当している。数年続けたので誰か他のメンバーが書いてほしいと思っていたのだが、誰も名乗りを上げない状態だった。私は選者や他の柳誌の鑑賞文など川柳の仕事を数多く抱えており、ひとつひとつに対して丁寧な仕事が出来ていないと感じていた。そこで、会長の横尾信雄さんに「県外の人に頼んでもいいですか?」と聞いてみると「依頼を久美ちゃんが責任持ってしてくれるならオッケーだよ。謝礼は出せないけど…。」ということだったので、県外の柳人にお願いすることになった。私とは全く違う鑑賞文にむつごろのメンバーもとても喜んでくれた。そして私の仕事が一つ減り、毎月の負担が少し軽くなった。
会報の入力は別の方がしてくださっているのだが、いつも「そろそろ事務局を卒業したい」と言われている。もしそうなるとその仕事が自分に回ってくるのではないかとビクビクしている。だが、他にやってくれそうな人はいない。私がするしかないのだろうが、会報の入力担当となると、もし自分が参加出来なかった場合、誰かに入選句を家まで持って来てもらうことになり迷惑をかけることになる。会報の入力はとても勉強になることは分かっているが、これ以上自分の負担を大きくしたくないというのが正直な気持ちである。
数年前、福岡県に若手の男性がいた。句会や大会にも積極的に参加していたのだが、急に顔を見せなくなったので心配になり連絡してみると、句会の進行や入選句の入力をしなければならなくなり、もう参加したくないと言うのだ。私は「大変だけど勉強になるよ」としか言えなかった。それから間もなく、その人は川柳をやめてしまった。川柳では珍しい同世代の友達だったので、とてもショックだった。
どこの川柳会もボランティアによる裏方的な仕事に支えられているが、それが日々の生活の負担になってしまうのならば本末転倒だ。みんなで負担をシェアできるような仕組みを作らなければ、川柳に未来はない。
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