忘れられない動物園
あけましておめでとうございます。今年もしっかりと川柳と向き合っていきたいと思っていますので、どうかよろしくお願いします。今年一番の初恋抄は、忘れられない動物園です。
私は遠方の大会に参加するときは、出来る限り前日には会場の近くまで行って宿泊するように心掛けている。心掛けているというか、とにかく早起きが苦手なので早起きして出掛ける自信がないのだ。前日に出掛けると観光もゆっくりできるし、なかなか有意義な時間が過ごせる。これも私の大会参加の楽しみの一つだ。
ある日、テレビで日本一のパワースポットとして宮崎県の高千穂神社が紹介されていた。「日本一」なんて言われると、高千穂を素通りして宮崎大会に参加するわけにはいかない。私は前日の宿泊を高千穂にして、神社に参拝することにした。本来ならばここで高千穂神社の素晴らしさを書きたいところだが、驚くべき経験をしたのは参拝後である。
神社への参拝を済ませ、なんとなくパワーをもらった気分に浸りながら車を運転していると、細い曲がり角の隅に小さな看板(かまぼこ板二つ分くらいの大きさ)が立てられていて、その看板には「動物園→」と書かれていた。しかも手書きである。私はその小さな看板が気になってしまい、その矢印の方へと車を走らせてみた。高千穂には剣道大会で何度も訪れたことがあるのだが、動物園があるなんて聞いたことがなかった。道は山側へと続いていて、注意していなければ見過ごしてしまうようなプレハブ小屋があった。そこには「高千穂動物園」と書かれていて、とても機能しているようには見えなかったが、恐る恐るプレハブに入ってみる。中にはおばちゃんがいて「いらっしゃい。300円だよ」と満面の笑みで迎えてくれ、音楽のスイッチを入れてくれた。山中に響き渡る大音量だったのでビックリし過ぎて笑いが出てしまったが、私はそのまま動物園へと入っていった。まず私を迎えてくれた動物が「犬」である。うろ覚えだが「柴犬とコリー犬のミックス」とか「ダックスフンドとポメラニアンのミックス」など手書きされていた。まさか動物園で犬を見ることになるとは思わなかったので、ひたすら奥へと足を進めた。奥には象がいたであろう大きなコンクリートの柵があった。昔は立派な動物園だったのだろうが、その柵と広場には大根が干してあった。もう私は笑いが止まらなくなってしまい、大根を干しているおばちゃんに「動物ってどこにいます?」と聞いてみると「そこのビニールハウスにたくさん生まれているよ」と言う。嫌な予感はしたがビニールハウスのドアを開けてみた。するとドバーーーーッっと私にじゃれてくる犬犬犬。二十匹ほどのパグの子供だった。「だよね…」なんて思いながら動物園の出口へと向かうと、やっと動物園らしい「ダチョウ」がいてくれた。
高千穂動物園を越える動物園には未だに出会えていないのだが、あれから何度高千穂に行っても、あの看板を見つけることが出来ずにいる。異次元に迷い込んだような経験を、宮崎大会に参加するたびに思い出している。
はじめて、コメントします。
高千穂動物園、
僕のとこにも、楽寿園というのが、ありまして、むかし動物園も、遊園地もやっていたしょぼい公園に毛が生えたようなものがありました。
いまもあります。
象の花子と、キリンのタカコがいました。
いまはいません。
乗り物はすべて100円。
今は不明ですが、
夜、暗闇を彼氏と歩くと、バック・ツーザ・フューチャーして、お金が拾えるっていうジンクスがあります。
是非行ってみて!
。