私がドラえもんのコレクションをするようになって25年以上経つ。元々は、妹がドラえもん好きで、どこに行ってもドラえもんグッズをお土産にしていた。どのお土産屋さんにもドラえもんとアンパンマンは必ずあるので、お土産には困らなかったのだが、探している内に自分がハマってしまった。私がコレクションするようになると、友達がドラえもんグッズをくれるようになった。本屋さんに置いてある非売品や、バイクのヘルメットもドラえもん仕様にして、使わなくなったら私にくれた。初めてのPHSも「ドラえホン」で、どこでもドアを開くとボタンがついているものだ。もう使えないのでそれもコレクションの一つとして飾っている。最初は廊下の棚、それから自分の部屋、トイレ、車と、置き場がなくなるほどドラえもんになってしまったので、二階に専用の棚を作ってまとめることにした。そうこうしていると普通のドラえもんでは満足できなくなり、中国のあやしいドラえもんまで棚に並び始めた。今ではもう棚にも入りきらなくなっているので、ガチャガチャの小さなドラえもんやバスボムから出てくるレアなドラえもんを収集している。こんなにドラえもん愛に溢れているのだからドラえもんの句を作りたいのだが
ドラえもんの青を探しにゆきませんか 石田柊馬
この句が頭から離れず、どんなドラえもんの句を作ってもつまらなく感じてしまうから困ったものだ。こんなことを言われたら、一瞬で「ゆきます」と答えてしまうだろう。
私の筆箱もドラえもんで、私はこの筆箱を宝物にしている。10年以上前、別府の地獄巡りで赤池地獄に行ったときに売店にあった筆箱で、布で出来ている。何度も洗って使っていたので、かなりくたびれていた。ネットで検索しても同じものが無く、友人とその筆箱を買うためだけに別府の赤池地獄に向かった。10年以上前に買ったものなので、正直言うと私は諦めていたのだが、友人の「絶対に見つけよう」という言葉に勇気づけられて売店に向かう。昔は古い建物だったのが新しく建て替わっていて、それが余計に私を絶望させた。店内を回ったが私は見つけることができなかったのに、友人が「久美子!こっちに来て!あったあった!!」と言うのだ。私が持っているのは側面が顔になっているものだが、そこには側面が「体」の同じ形の筆箱があった。もう嬉しくて嬉しくて、あるだけ全部大人買い。そして「体」の筆箱に入れ替えて、古い筆箱はコレクション棚に仕舞った。
いつもこの筆箱を触る度にあのときの驚きと感動を思い出す。「体」の筆箱にはポケットがついていて、正式名称は「ロボット専用四次元空間内蔵秘密道具格納ポケット(四次元空間使用許可管理局承認番号D7E1293)」という。私は常にこの「私専用ポケット」と一緒に句会へ向かう。ここから名句が出てくることを願いながら。
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